岐阜「第5回大垣菓子博」レポート~水まんじゅうと和菓子を満喫!(後編)

(→岐阜「第5回大垣菓子博」レポート~水まんじゅうと和菓子を満喫!(前編)から続きます
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2016年7月3日に開催された「第5回大垣菓子博」でトークショーに出演させていただくことになり、2回目の訪問となる大垣に伺って参りました。
レポートの前編でご紹介したとおり、大垣市内の菓子店巡りや「水まんじゅう」の食べ比べを楽しんだ後は、「大垣菓子博前日祭」で、私の立場から見た大垣の和菓子の面白さなどについて講演。ご参加の皆様には、ヴァイオリンとピアノの演奏と共に、様々な和菓子食べ比べを満喫していただきました。
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私も色々と味見させていただき、初めていただくお菓子との出会いも多数!たとえば、「御菓子司 胡蝶庵」のかぼちゃ味の生地の中にかぼちゃ餡を包んだ「おかぼさん」は、そのままでもしっかりかぼちゃ風味が楽しめましたが、家に持ち帰り電子レンジで10秒ほど、さっと温めると、できたてのおまんじゅうのようにかぼちゃの香りが立ってふんわりしっとりとやわらかく、より味わい深くいただけました。
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また、代表商品の「水都大垣 小豆やっこ」は、一見、水羊羹風ですが、吉野葛粉を使用しており、つるん、ぷるんとした弾力が何とも言えません。冷蔵庫に入れると葛が硬くなってしまうので、食べる直前に短い時間だけ冷やすのが、美味しく召し上がるコツだそう。2012年に「飛騨・美濃すぐれもの」として、2013年に「大垣市推奨観光土産品』として認定されるなど、自他共に認める大垣銘菓です。北海道小豆を使った小豆こし餡は、淡い紫色を帯びており、水の都ならではのみずみずしさが伝わります。鬼双糖という最高級の砂糖を使っているため、甘すぎず、キレよく感じられるのも特徴です。

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「近藤せんべい本舗」の「どら焼」と「若鮎」は、「皮を割った時に、気泡が縦に走っている断面に注目してほしい」とのこと。ぐっと生地が持ち上げられたふんわり感と、焦げる寸前まで火を入れるという焼き色の濃さが特徴です。中はしっとりと炊きあげられた粒餡。「若鮎」は、中にぎゅうひが入っていて、ふんわりした生地ともっちりとした噛み応えとが共に楽しめました。

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そしていよいよ、「大垣菓子博」当日となりました。大垣市内で毎月第一日曜に、駅前通りを歩行者天国にして開催されている「元気ハツラツ市」。その中で「大垣菓子博」が開催されるようになり今年で5回目。企画・出展している「大垣菓子業同盟会」は130年の歴史を持つ、日本で一番古い菓子同業組合だそう。明治時代、菓子税が課されることに反対した菓子店主達によって起ち上げられた会だったといい、「同業相和」を掲げ、共に手を携えて大垣の菓子文化を発展させてきました。
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そんな「大垣菓子業同盟会」の出店ブースでは、昨年の大好評だったという各店の「水まんじゅう」食べ比べセットが、今年も早々に完売。このイベント限定の水まんじゅうコレクションも多数登場し、赤ワインと白ワインのサングリア水まんじゅうや、薔薇水まんじゅう、枝豆水まんじゅうやかぼちゃ水まんじゅう、それにみつ豆水まんじゅう、西瓜の断面を模した餡細工が閉じ込められた水まんじゅうなど、手間がかかりすぎて普段はとても作れない!というような凄い作品も販売されていました。
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かき氷の販売も人気で、各店舗が工夫を凝らしたオリジナルシロップに注目!たとえば、「金蝶園総本家」による「おさなご苺」の自家製シロップは、同店の人気菓子の一つ「いちご餅」で、メレンゲ入りのふわふわの白いお餅と白餡でまるごと包んでいる福岡産の「おさなご」というブランド苺を使ったもの。「田中屋せんべい総本家」の「甘酒ヨーグルトとブルーベリー」は、ここ数年で、お煎餅に入れる味噌を自家製で仕込むようになって、手作りの米麹を活かした自家製甘酒が誕生。ヨーグルトと合わせるという新しい提案をされているもの。和菓子店ならではの素材使いが魅力的でした。

田中さんや槌谷さんとのトークショーも無事に終了。さらに、各店の職人さんがお子様をはじめとする地元の方々に教えるお菓子作り体験教室もあり、私も、「田中屋せんべい総本家」の田中さんによる煎餅焼きの体験教室に参加させていただきました。

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それから、思わず大人買いしてしまったのは、大垣銘菓ストラップ&マグネット。地元の障害者就労継続支援A型事業所クローバーネットワーク大垣の皆様が作られたものだそうですが、これが可愛らしすぎて!
代表銘菓の「水まんじゅう」をはじめ、「槌谷」さんの「柿羊羹」や「みずのいろ」、「田中屋せんべい総本家」さんの「みそ入り大垣せんべい」、「餅総」さんの「水まん氷」、「金蝶堂総本店」の「金蝶饅頭」などなど、細かい部分まで再現されたクォリティ感が素晴らしいのです。全て手仕事なので、大量には作れないものだと思いますが、いつか、それぞれの和菓子店でも販売されるようになるといいですね。

「大垣菓子博」はもちろん、大垣の町を満喫した2日間でした。豊かな水に恵まれた大垣と、大垣のお菓子に興味をもたれた方は、ぜひ訪問してみてください!

2016/7/25|取材・レポート
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